武者絵幟はここを見る 武者絵幟はここを見る

武者絵幟はここを見る

「手描本染」が高級。つぎに「本染」のもの。

「自社専門工房」での制作を名乗る店は信用しないように。

武者幟の製作工程

幟の描画法は、下記の3種類。

生地は綿が基本。綾織地、帆布といった厚手の物は本染以上で使われるのが普通です。

普及品(量産品)になると、パチンコ屋の幟のような、ナイロン布地にスクリーン打ちなんて製品なども見受けられますね。

手描本染

いったん布全体にニジミ防止のための糊打ちをして、その上から手描きで絵柄を載せていきます。基本的に顔料を使い、染料を使うことはまずありません。

当然のことながら、裏表で別々に筆遣いのタッチが残る為、絵柄がぴったり合う事はありません。制作者の好みで、無地の縁取りをわざわざ作る場合もありますが、基本的には普通の絵のように色は繋がっています。

左は黒一色で描かれた「黒鍾馗」。水墨画を思わせる流麗、かつ迫力のある筆致が特徴的。
右が「赤鐘馗」。右側は手描き実演中の石川氏(伝統工芸士)

本染

布の上に糊で色分け用の主線を入れ(糊置き)、塗り絵のように色を載せます。糊置きは手置き(手描)の事もあれば型置きの事もありますが、どちらにせよ裏、表の両側から糊を置きますので、絵柄がぴったり合う事は無いと思っていいでしょう。

ただし、型置きの場合は、スクリーン印刷のように型を捨打ちにして糊置きすることで、ズレを最小限(ほぼズレなしのレベル)に押さえることができるようです。(コストは上がりますが)基本的に顔料を使い、染料を使うことは少ないです。(たまに手置きで糊置きしたものを手描本染と言う事がありますが、これは間違い、とは言いませんが正しくないと思います)
防染糊で主線が描かれているため、無地の縁取りが出来ます。ただし、仕上げの際に縁取りを顔料で塗りつぶす手間をかけたものも存在しています。
また、裏側にも絵描きをした物とそうでない物があり、価格に差が生まれます。

糊置きによってくっきり無地の主線が出ていて、顔と手の輪郭は朱で塗り潰されています。また、髪や髭は筆描きされています。

写真の品は、錦絵(役者絵)に見られるようなオーバーなポーズ、アングルとあいまって、どことなくユーモラスな印象が漂います。

スクリーン/プリント・注染

量産向きで、糊は使いません。スクリーンには「捨て打ち」と呼ばれる方法、プリントは完全に規格化された絵柄があり、裏表は殆どズレません。
また、注染は圧力で染料を透過させてしまうので、ズレは生じません。手拭いなどと一緒です。プリントでは顔料を使った物もいくらか見られますが、他の二つはほぼ染料を使います。

いかにも「印刷物」という感じです。
サンプルが悪いわけじゃないと思うのですが…。

むしろ、プリント物としてはかなり良く出来た品なのです。
しかし、色の鮮やかさでは本染には及びません。プリント物の常としてデザイン上の書き込みが細かすぎるため迫力もいささか不足気味で、なんとなく小綺麗な「製品」という印象が強いです。

ちなみに、無形文化財や伝統工芸士といわれる人の手描本染でも一枚10万程度で買えます。(仕入れルートにもよりますが、15万はしないです)
二枚でワンセットにしてポールも買ったとすると合計30万くらいにはなってしまいますが、本染で一枚3~8万くらいですかね。やたら高い値段をつけてるお店もあるようですが相場はこんな物です。

基本的に上に位置する物ほど高価だと思って間違いないです。
生地は綿が基本。綾織地、帆布といった厚手の物は本染以上で使われるのが普通で、普及品(量産品)になると、ナイロン布地にスクリーン打ちなんて製品まであります(パチンコ屋の幟みたいですが)。

ちなみに、無形文化財や伝統工芸士といわれる人の手描本染でも一枚10万程度で買えます(仕入れルートにもよりますが、15万はしないです)。こちらも二枚ワンセットにしてポールも買ったとすると合計30万くらいにはなってしまいます。
本染で一枚3~8万くらいだと思います。やたら高い値段をつけてるお店もあるようですが相場はこんな物です。

染料と顔料の違いについて

顔料は無機材料(鉱物系)で出来ていて、日本画で使われるものとほぼ同じものです。
発色が良く、褪色が緩やかで、外飾りである武者幟、鯉のぼりには好適なのですが「高い」のが玉に傷。

一方染料ですが、有機、無機を問わず存在します。目の覚めるような発色こそ望めませんが、色合いが明るく、安上がり。

後、鯉のぼりのほうでも書いてますが、

自社専門工房制作を名乗る店は信用しないこと。

こうした「旗物」には分業が存在しません(ポールは別)ので、工房が小売部門を持っていることはあっても、小売店が工房を持っていることは有り得ません。自店のみで何千本も売れるわけが無い以上、職人さんが食べていけないことは明白です。だまされないようにお気をつけください。