裂地(きれじ) 裂地(きれじ)

裂地(きれじ)はここを見る

雛人形の正絹表示は要注意です。

風合いは総正絹の物とほとんど変わらないので、表面を見ただけではプロでもちょっと見分けがつきません。「正絹(高級品)だから高いのは当り前」「ウチの有職雛は皆100%正絹だ」等という売り文句を語るお店は、信用に値しません。

正絹と言われれば普通思い浮かべるのは「100%正絹(総正絹)」ですが、人形の場合縦糸か横糸のどちらかが絹糸のみで織られていれば正絹表示はして良いことになっています。
つまり、縦正絹(縦糸のみ正絹)横正絹(横糸のみ)や、縦二倍正絹(横糸は50%のみ絹)横二倍正絹(縦50%のみ)といった生地を使っていても正絹表示はできるのです。(弊社はこういった悪習は無くすべきだと考えています)
風合いは総正絹の物とほとんど変わらないので、表面を見ただけではプロでもちょっと見分けがつきません。コストを下げる、という意味合いではこれでいいんですが、購入者を欺くためにこれを利用している店は許せません。

「正絹(高級品)だから高いのは当り前」「ウチの有職雛は皆100%正絹だ」・・・などというのは、ウソです。
総正絹の衣装雛なんて、全体の1%すらありません。

それに、二倍織物(ふたえおりもの)など、織方によっては只の総正絹の物より高くつくことすらあります。(もちろん、総正絹で二倍織物にすればさらに高くなるわけです)

上記のような事を、お客様に売り文句として話しているようなお店は信用しないことですね。

金襴一丁〜金襴六丁

これは裂地(きれぢ)としては標準の、金襴(きんらん)地。
同じ生地を使った場合は、織地に何種類の色糸を入れているかで値段が変わります。一丁から六丁というのは、その数です。
とにかく派手に仕上がるのが特徴と言えます。見栄えのいい割に安いのもメリット。

「品が無い」と毛嫌いする人もいますが、そこは好きずきでしょう。ある意味最も雛人形らしい裂地ですから。

金彩友禅

帯柄

金彩友禅(きんさいゆうぜん)は、金糸や盛り上げなどで金の縁取りの入った友禅の事。友禅柄ですから、当然筆による彩色も入っています。

対して帯柄は帯地に使われる織柄を使った物。双方とも華やかさが売りと言えますが、どちらかというと帯柄の方が落ち着いた雰囲気になるようです。

帯地

有職柄

帯地はもう、これはそのまんま。帯に使う物を用いた裂地です。
雛人形に使うには柄が大きい物が多いため、きちんと仕立てるには気を使う必要があります。一反あたりから取れる衣装の数が低下してしまうので、コストが上がるのも欠点かもしれません。

そして、有職雛に見られる正絹唐織(しょうけんからおり)は、無金(金糸が入っていない)の落ち着いた雰囲気です。地味に見えるとか、「高い」といって避ける人もいるようですが、私は一番好きです。なんというか、飾ったときの空気が違うんですよね。
有職を名乗るのは無金が条件なので、金糸などが入った場合は本来は有職と言ってはいけない事になっているのですが、金刺繍を施したものもあるのがちょっと残念です。